何ひとつ見たくなかった


2015年6月17日
凄く怖いものを見た。

車で移動中。
相変わらず動かない渋滞のなか、高速道路の高架下をぼんやり見てた。

ゴミだらけの高架下には車が数台停まっていて、
その周り、空いてるスペースでいくつかの家族が暮らしている。

排気ガスにまみれた中で、1歳前後の赤ちゃんが何人か、
アスファルトの上に敷かれた段ボールで昼寝をしてる。

インドではよく見る風景。
とはいえ、日本で産まれたばかりの甥っ子を見てきた自分には、なんか辛く映る。

 

突然、駐車しようとした車がバックで入ってきた。

大声を上げる父親。

車が後進する先には赤ちゃん。

父親の声は届かず、車の下に消える赤ちゃん。

異変に気付き、ようやく止まる車。

 

幸い、タイヤは赤ちゃんの顔スレスレを通り過ぎた。
パニックを起こし、号泣する赤ちゃん。

あと数センチずれてたら、間違いなく死んでた。

たいして謝ることなく去っていく運転手。
そんな運転手に怒りもしない父親。
そのままそこに寝かし続ける母親。
怯えて泣き続ける赤ちゃん。

何ひとつ見たくなかった。


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